「手に入れたばかりのロレックス。大切にしたいから傷をつけたくない…」
「ロレックスのコーティングってよく聞くけど、本当に効果はあるの?」
「正規保証に影響が出たり、後悔したりしないか心配…」
念願のロレックスを手にしたオーナー様なら、誰しもがそう思いますよね。特に金無垢やコンビモデルは、ステンレスに比べて傷が目立ちやすいため、なおさらです。
そんな時、選択肢として挙がるのが時計のガラスコーティングです。
この記事では、ロレックスのコーティングについて、その種類からメリット・デメリット、正規店や専門家の見解まで、あなたが知りたい情報を網羅的に解説します。この記事を読めば、あなたのロレックスにとって最適な選択ができるようになります。
ロレックスのコーティングには2種類ある!
まず知っておきたいのは、「ロレックスのコーティング」には大きく分けて2つの種類があることです。この違いを理解しないと混乱してしまうので、最初に整理しておきましょう。
① 時計全体を保護する「ガラスコーティング」
一般的に「ロレックスにコーティングをしたい」という場合、こちらを指します。ケースやブレスレット、風防(ガラス)など、時計全体に特殊な液体を塗り、硬い膜(皮膜)を形成して傷や汚れから保護するものです。専門業者に依頼する方法と、市販のコーティング剤を使って自分で行う方法があります。
② 風防の視認性を高める「無反射コーティング」
こちらはロレックスが製造段階で風防(サファイアガラス)に施す加工です。光の反射を抑え、どんな角度からでも文字盤をクリアに見せるためのもので、傷防止を主な目的としたガラスコーティングとは役割が異なります。以前のロレックスは採用に消極的でしたが、近年のモデルではサイクロップレンズ(日付の拡大レンズ)の内側などに採用されています。
後付けのガラスコーティングは必要?メリットとデメリット
では、本題である後付けのガラスコーティングは、本当に必要なのでしょうか。メリットとデメリットをしっかり比較して、冷静に判断することが大切です。
コーティングのメリット【傷予防と輝きUP】
- 日常の微細な傷(スレ傷)を防げる
コーティングによって鉛筆硬度9Hほどの硬い膜が作られます。これにより、服の袖で擦れたり、少し何かに触れたりした際につくような、日常的な小傷をある程度予防する効果が期待できます。 - 時計に美しい光沢とツヤが出る
コーティング剤には艶出し効果もあり、施工後は時計がピカピカになります。表面の微細な凹凸が埋まることで、ステンレスやゴールド本来の輝きが増し、満足感が高まるでしょう。 - 汚れが付きにくく、手入れが楽になる
皮膜が表面を覆うことで、皮脂や汚れが付着しにくくなります。汚れてもサッと拭くだけで綺麗になるため、日々のメンテナンスが簡単になるという声もあります。
コーティングのデメリットと注意点【専門家の意見】
- 深い傷や凹みは防げない
あくまで表面を保護する薄い膜なので、どこかに強くぶつけた際の打痕(凹み)や、深い引っかき傷を防ぐことはできません。過信は禁物です。 - 正規サービスを受けられなくなる可能性
ロレックスの正規サービスセンターは、社外での改造や加工が施された時計の修理を受け付けない方針です。コーティングがこの「社外での加工」と見なされ、オーバーホールなどのメンテナンスを断られる可能性がゼロではありません。 - 除去するには「研磨」が必要
一度施工したコーティングは、専用の溶剤などで簡単に剥がすことはできません。取り除きたい場合は、時計の外装を研磨(ポリッシュ)する必要があり、余計な費用と手間がかかります。 - 買取査定額が直接上がるわけではない
コーティングをしているからといって、買取査定額がプラスになることは基本的にありません。むしろ、コーティングのムラや経年劣化、特にヴィンテージモデルの風合いが変わってしまった場合は、マイナス評価になる可能性もあります。
正規店や専門家はどう考えているの?
オーナー様にとって、やはり気になるのは「プロの意見」ですよね。正規店や修理・買取の専門店は、コーティングについてどのような見解を持っているのでしょうか。
正規店は「非推奨」のスタンスが基本
複数の情報源によると、ロレックスの正規店に相談した場合、コーティングは推奨されないことがほとんどです。前述の通り、オーバーホールが受けられなくなる可能性を指摘されることが多いようです。「使う以上、傷はつくもの」というのが、実用時計としてロレックスを提供するメーカー側の基本的な考え方と言えるでしょう。
修理・買取専門店のリアルな意見
時計の修理や買取を専門に行うプロの意見は、より現実的です。
- 「やるなら新品か、研磨後の綺麗な状態で」
傷の上からコーティングをしても傷は消えません。コーティングの膜が傷の溝を埋めて光沢は出ますが、根本的な解決にはならないため、施工するなら傷のない状態がベストです。 - 「査定額への影響はほぼない」
使用に伴う小傷は、査定額に大きく影響しません。専門店では商品化の際に洗浄や外装仕上げを行うため、コーティングの有無で査定額が変動することは考えにくいです。 - 「傷は『味』でもある」
特に金無垢素材は柔らかく傷がつきやすいですが、使い込むほどに出てくるくすんだ感じや小傷を「オーナーと共に時を刻んだ証」として愛する愛好家も少なくありません。
自分でできるコーティング剤「クリスタルガード・クロノアーマー」
専門店に依頼するほか、自分で手軽に施工できるコーティング剤も人気です。その代表格が「クリスタルガード・クロノアーマー」です。
特徴と効果
自動車用のコーティング技術から生まれた腕時計用クリーナー兼コーティング剤です。柔らかい布にスプレーして拭き上げるだけで、洗浄とコーティングが同時にできます。
- 効果:表面の汚れやくすみが取れ、明るい輝きが蘇ります。ベタつきもなく、サラサラとした仕上がりになります。
- 傷防止:鉛筆硬度9Hの皮膜を形成し、軽いスレ傷程度なら予防効果が期待できます。ただし、カッターの刃を強く当てれば傷はつきますので、過度な期待はできません。
施工する際の注意点
手軽さが魅力ですが、デメリットも理解しておきましょう。一度の施工で完璧な膜ができるわけではなく、効果を持続させるには定期的な重ね塗りが必要になる可能性があります。そして、やはり除去するには研磨が必要という点は、プロ仕様のコーティングと同じです。
【結論】コーティング以外の選択肢も検討しよう
ここまで読んでみて、いかがでしたか?
ロレックスのコーティングは、確かに小傷予防や美観維持というメリットはありますが、正規サービスへの影響や除去の難しさといった無視できないデメリットも存在します。
もし、あなたがコーティングを躊躇するなら、他の方法でロレックスを大切にする道もあります。
① 日々のセルフメンテナンス
着用後は、セーム革やマイクロファイバークロスのような柔らかい布で、ケースやブレスレットについた指紋や皮脂を優しく拭き取りましょう。これだけでも時計の輝きは保たれます。微細な傷が気になる場合は、研磨剤が含まれた貴金属用のクロスで軽く磨くのも一つの方法です。
② プロによる外装仕上げ(ポリッシュ)
傷が気になってきたら、数年に一度のオーバーホールのタイミングなどで、プロに外装仕上げを依頼するという選択肢です。ロレックスのサービスセンターや信頼できる時計修理工房で行えば、驚くほど綺麗に傷が消え、新品に近い輝きを取り戻せます。
よくある質問(Q&A)
いいえ、直接的に資産価値が上がることはありません。買取査定額への影響はほぼないとされています。傷を防ぐことで良好なコンディションを維持する効果は期待できますが、それが査定額アップに直結するわけではないのが現状です。
市販のコーティング剤であっても、簡単には剥がせません。完全に除去するには、専門家による研磨作業が必要になります。
ありません。ロレックスが公式に提供しているのは、一部モデルの風防に施される「無反射コーティング」のみで、これは傷防止を目的としたものではありません。
まとめ:あなたにとってのベストな選択を
ロレックスへのガラスコーティングは、一長一短です。
- コーティングを選ぶ人:正規保証よりも日々の小傷予防を優先し、常にピカピカの状態を保ちたい人。
- コーティングを選ばない人:正規サービスを重視し、傷はオーバーホール時の研磨で対応すると割り切れる人。また、傷を「味」として楽しみたい人。
「傷が嫌」というより「大切に綺麗に使っていきたい」という気持ち、とてもよく分かります。
そのための選択肢は、コーティングだけではありません。日々の優しい手入れ、そして時にはプロの手を借りることも、立派な愛情表現です。この記事を参考に、ご自身の価値観やライフスタイルに合った、ロレックスとの最適な付き合い方を見つけていただければ幸いです。
あなたのロレックスとの付き合い方や、コーティングに関する体験談なども、ぜひコメントで教えてくださいね!
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