「大切にしているロレックスをオーバーホールに出したい。でも、先に料金を知りたいから見積もりだけお願いしたら、断られてしまった…」
そんな経験や噂を聞いて、不安になっていませんか?偽物でもないのに、なぜ断られるのか疑問に思いますよね。
実は、日本ロレックスでは「見積もりだけ」の依頼を受け付けないケースがあるようです。しかし、その背景にはしっかりとした理由があり、また、ほとんどの場合は簡単な工夫でスムーズに依頼できます。
この記事では、日本ロレックスでオーバーホールの見積もりを断られる理由から、実際に断られてしまう具体的な5つのケース、そして万が一断られた際の対処法まで、実体験レポートを交えて徹底解説します。
最後まで読めば、あなたのロレックスを安心してメンテナンスに出すための知識が身につき、これからも末永く愛用できるようになりますよ。
日本ロレックスはオーバーホールの見積もりだけは断る?
結論から言うと、「見積もりだけお願いします」という依頼の仕方では、断られる可能性があります。
以前は見積もりだけでも対応してくれた時期もあったようですが、現在の方針として、単なる金額査定のような依頼は受け付けていないようです。
これは、正確な見積もりを出すためには、技術者が時計の裏蓋を開け、ムーブメントの状態を詳細に確認する必要があるためです。この作業には専門的な技術と時間が必要となり、「オーバーホールを正式に依頼する前提」でなければ対応が難しいのです。
では、どうすれば良いのでしょうか?
ポイントは、「オーバーホールをお願いしたいのですが、料金はいくらになりますか?」というように、修理を依頼する意思を明確に伝えることです。そうすれば、正式な受付プロセスとして見積もりが提示され、その金額に納得した上で進行するか、キャンセルするかを選ぶことができます。
【実録】日本ロレックスのオーバーホール依頼レポート
ここでは、実際に日本ロレックスのサービスセンターに時計を持ち込んだ際の、受付から受け取りまでの一連の流れを見ていきましょう。具体的なイメージが湧くと、より安心して依頼できますよ。
①持ち込み・受付
正規販売店または日本ロレックスのサービスセンターに直接時計を持ち込みます(郵送も可)。事前予約は特に必要ありません。
受付でオーバーホールを依頼したい旨を伝えると、番号札を渡され、順番を待ちます。順番が来たら、名前や連絡先などを所定の用紙に記入し、時計を預けます。
②見積もりの電話連絡
時計を預けてから数日後(レポートでは翌日午前中)、日本ロレックスから電話で見積もりの連絡が入ります。
この時、オーバーホールの基本料金に加え、技術者が確認して必要と判断した部品交換(リューズ、バネ棒など)の料金も提示されます。ロレックスの方針として、時計の機能を完全に回復させることが最優先されるため、必須の部品交換を断るとオーバーホール自体がキャンセルになる場合があります。
ただし、ケースやブレスレットの研磨(ポリッシュ)については、希望しない選択も可能です。
この電話で正式に修理を依頼するか、キャンセルするかを伝えます。
③修理完了と支払い・受け取り
納期は通常1ヶ月〜2ヶ月程度です。修理が完了すると連絡があり、サービスセンターで受け取るか、郵送してもらうかを選べます。支払いは現金またはクレジットカードが利用可能です。
修理完了品には、「国際サービス保証書」が付属します。これは、修理完了日から2年間、修理箇所に不具合が生じた場合に保証が適用される非常に重要な書類です。また、この時計が紛れもない本物であることの証明にもなり、売却時の査定額アップにも繋がります。
ロレックスのオーバーホールを断られる5つのケース
「オーバーホールをお願いします」と正式に依頼しても、時計の状態によっては断られてしまうことがあります。ここでは、代表的な5つのケースをご紹介します。ご自身の時計が当てはまらないか、事前に確認しておきましょう。
ケース1:必須の部品交換を拒否した場合
アンティークやヴィンテージモデルによくあるケースです。
ロレックスのオーバーホールは、時計の機能性を新品同様に回復させることを基本方針としています。そのため、経年劣化した文字盤や針、リューズなども、機能していないと判断されれば交換が提案されます。
しかし、ヴィンテージモデルでは、当時のオリジナルの部品にこそ価値がある場合も少なくありません。価値の高いオリジナル部品の交換を拒否すると、「完全な修理ができない」という理由でオーバーホール自体を断られることがあります。
ケース2:古いモデルで修理部品の在庫がない
メーカーには、生産終了したモデルの修理部品を保管しておく「パーツ保有期間」があります。この期間を過ぎた非常に古いモデルは、交換部品がないために修理を受け付けてもらえません。
特に有名なのが、1988年以前に製造された手巻きのデイトナ(Cal.727搭載モデルなど)です。その他、4桁リファレンスのモデルの一部も、部品在庫の枯渇により修理が難しくなっています。
ケース3:改造品(非純正パーツが使われている)
文字盤にダイヤモンドを追加したり、ベゼルを社外品に交換したりするなど、ロレックスの純正パーツ以外の部品が一つでも使われている「改造品」は、修理を受け付けてもらえません。
安価な修理業者に依頼した際、知らず知らずのうちに非純正パーツに交換されてしまうケースもあるため注意が必要です。特に中古で購入した時計は、前の所有者がどのように扱っていたか確認が難しいため、リスクが伴います。
ケース4:偽物(コピー品)
これは当然ですが、偽物やコピー品は一切の修理・メンテナンスを受け付けてもらえません。偽物と知らずに持ち込んだ場合でも、「修理できません」とはっきりと返却されます。
ケース5:研磨(ポリッシュ)されすぎたモデル
ロレックスの頑丈なオイスターケースも、研磨を繰り返せば当然薄くなっていきます。
一般的に研磨の限界は5回程度と言われており、それ以上研磨されてケースが痩せすぎると、本来の防水性や気密性が保証できなくなります。そうなると、ロレックスの品質基準を満たせないため、オーバーホールを断られる可能性があります。
もし日本ロレックスに断られたら?2つの対処法
万が一、日本ロレックスでオーバーホールを断られてしまった場合でも、諦める必要はありません。大切な時計をメンテナンスする方法は他にもあります。
対処法1:信頼できる民間の時計修理専門店に相談する
最大の選択肢は、ロレックスを専門的に扱う、技術力の高い民間の修理業者に依頼することです。
メリット
- 日本ロレックスで断られたヴィンテージモデルでも修理可能な場合がある。
- メーカーでは生産終了した純正パーツをストックしていることがある。
- オリジナル性を尊重し、部品交換を強制しないなど、柔軟な対応が期待できる。
- 一般的に正規サービスよりも料金が安い傾向にある。
デメリット
- 業者の技術力に差があるため、慎重に店選びをする必要がある。
- 修理後に「国際サービス保証書」は発行されない。
- 一度でも民間業者で修理すると、その後日本ロレックスで修理を受けられなくなる可能性がある。
お店の評判や実績をよく調べて、信頼できる業者を見つけることが重要です。
対処法2:購入した販売店に相談する
もし時計を購入した販売店が独自の保証や修理サービスを提供している場合は、そこに相談してみるのも一つの手です。提携している優良な修理工房を紹介してくれることもあります。
よくある質問(Q&A)
はい、受け付けてもらえます。ロレックスは購入経路(正規店、並行輸入店、海外など)によってメンテナンスに差を設けていません。本物のロレックスであれば、どこで購入したものでも分け隔てなく修理を受け付けてくれます。
保証期間が過ぎていれば、保証書は必要ありません。保証期間内(通常5年間)の修理であれば保証書が必要ですが、通常のオーバーホールであれば時計本体だけで問題ありません。
まとめ:正しい知識で、大切なロレックスを末永く
今回は、ロレックスのオーバーホールで見積もりを断られる理由と、実際に修理を断られてしまう5つのケースについて解説しました。
【この記事のポイント】
- 「見積もりだけ」ではなく「オーバーホールを依頼する前提」で相談すればスムーズ。
- 見積もり提示後のキャンセルは可能なので、まずは相談してみることが大切。
- 断られる主な原因は「部品交換の拒否」「部品在庫切れ」「改造品」「研磨しすぎ」など。
- 正規サービスで断られても、信頼できる民間修理業者という選択肢がある。
日本ロレックスの正規メンテナンスは、料金は高めですが、2年間の国際サービス保証が付くなど、他にはない絶対的な安心感があります。これこそがロレックスが世界中で愛される理由の一つですよね。
正しい知識を持ってメンテナンスを依頼することで、これからもあなたのロレックスは最高のパートナーとして輝き続けてくれるはずです。まずは気軽に、最寄りのサービスセンターや正規店に相談してみてはいかがでしょうか。
あなたのロレックスのオーバーホール体験談もぜひ教えてください! コメントで共有していただけると嬉しいです。
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