「週末に久しぶりにつけようとしたら、愛用のロレックスが止まっていた…」
そんな経験はありませんか?「もしかして故障?」「毎日つけないとダメなの?」と不安になってしまいますよね。
ご安心ください。ロレックスが止まるのは、多くの場合、故障ではなく、機械式時計ならではの正常な現象です。
この記事では、なぜロレックスは「つけてないと止まる」のか、その理由から正しい対処法、そして大切な時計を末永く愛用するための秘訣まで、わかりやすく解説します。この記事を読めば、あなたのロレックスとの付き合い方がもっと豊かになりますよ。
結論:ロレックスはつけていないと止まります
まず結論からお伝えすると、ロレックスの自動巻き時計は、つけていないと止まります。
これは、ロレックスの時計が「機械式」であり、その中でも「自動巻き」という仕組みで動いているためです。電池で動くクオーツ式とは異なり、ゼンマイが解ける力で歯車を動かしています。
自動巻き時計は、腕に着けているときの日常的な動き(振動)によって、内部のローターが回転し、自動的にゼンマイが巻き上げられる仕組みです。
そのため、時計を外して置いておくとゼンマイが巻き上げられず、蓄えられた動力がなくなると、やがて針が止まってしまうのです。
ゼンマイが完全に巻き上げられた状態から、時計が止まるまでの持続時間のことです。最近のロレックスのモデルでは、約48時間〜72時間(2〜3日間)のパワーリザーブを持つものが多く、数日外していても動き続けることがあります。
つまり、平日はデスクワークで時計を外し、週末だけ使うといったライフスタイルの場合、月曜日には止まっている可能性が高いということですね。
ロレックスが止まる・遅れる5つの主な原因
「つけていないから止まる」以外にも、時計の動きに影響を与える原因がいくつかあります。代表的な5つの原因を見ていきましょう。
原因1:ゼンマイの巻き上げ不足
最も一般的な原因がこれです。着用時間が短かったり、デスクワーク中心で腕の動きが少なかったりすると、ゼンマイが十分に巻き上げられず、パワーリザーブが短くなり止まってしまいます。
原因2:潤滑油の劣化や油切れ
時計内部では、多数の歯車がスムーズに動くために潤滑油が使われています。この油が長年の使用で劣化したり、乾いてしまったりすると、部品同士の摩擦が大きくなり、動きが悪くなって止まる原因となります。
原因3:歯車の摩耗
油切れの状態で使い続けると、歯車の軸(ほぞ)などが摩耗してしまいます。精密な部品で構成されているため、わずかな摩耗でも時計の精度に影響を与え、遅れや止まりにつながります。
原因4:ゼンマイの不良
時計の動力源であるゼンマイ自体が、金属疲労によって切れてしまうことがあります。ゼンマイが切れると、当然ながら時計は完全に停止してしまいます。これは長年メンテナンスをしていない時計に起こりやすいトラブルです。
原因5:水分やほこりの侵入
ムーブメント内部に水分や目に見えないほどの小さなゴミが侵入すると、部品が錆びたり、歯車の動きを妨げたりして、故障の原因となります。リューズがしっかり閉まっているか、定期的に確認することが大切です。
止まったロレックスの正しい動かし方(ゼンマイの巻き方)
止まってしまったロレックスを動かすのはとても簡単です。以下の手順で、優しくゼンマイを巻いてあげましょう。
- 必ず腕から時計を外す
着用したままリューズを操作すると、軸に不自然な力がかかり故障の原因になります。 - リューズのロックを解除する
リューズを反時計回り(下方向)に回すと、ポンと少し飛び出してきます。 - ゼンマイを巻き上げる
飛び出した状態のリューズを、時計回り(上方向)にゆっくりと30〜40回ほど回します。 - リューズをロックする
巻き上げが終わったら、リューズをケースに押し込みながら時計回りに回して、しっかりと閉めます。これにより防水性が保たれます。
ゼンマイを巻いた後、時刻と日付を合わせれば、再び元気に時を刻み始めます。
ロレックスを長く愛用するための5つのポイント
大切なロレックスを良いコンディションで使い続けるためには、日頃のちょっとした心がけが重要です。ぜひ5つのポイントを実践してみてください。
ポイント1:保管より毎日使うのが理想
「もったいないから」としまい込まず、できるだけ毎日使うことが、実は時計にとって最高のメンテナンスになります。常に動いていることで潤滑油が内部に行き渡り、部品のコンディションを良好に保つのです。
ポイント2:使用後は優しく拭き上げる
一日の終わりには、セーム革やマイクロファイバークロスのような柔らかい布で、ケースやブレスレットについた汗や皮脂を優しく拭き取りましょう。これだけで輝きが保たれ、サビの予防にもなります。
ポイント3:日付・時刻合わせの時間帯に注意
午後8時頃から深夜2時頃の間は、日付の変更操作を避けてください。この時間帯は、時計内部で日付を変更するための歯車が動き始めているため、無理に操作すると故障の原因となります。
ポイント4:磁気と水に注意して保管
時計を外して保管する際は、磁気を発するものから離しましょう。パソコン、スマートフォン、テレビ、バッグの留め具などは強い磁気を発しており、時計の精度を狂わせる原因になります。最低でも10cm以上は離して保管するのが安心です。
ポイント5:5年に一度のオーバーホールは必須
どんなに大切に使っていても、内部の潤滑油は劣化します。5年に一度を目安に、オーバーホール(分解掃除)を行いましょう。専門家による定期的なメンテナンスが、ロレックスの寿命を大きく延ばします。
よくある質問(Q&A)
必ずしも必要ではありません。ワインディングマシーンは時計を常に動かし続ける便利なアイテムですが、定期的に手でゼンマイを巻いてあげることでも十分です。むしろ、長期間使わない場合は、月に1回程度手で巻いて動かす方が、部品の摩耗を抑えられるという考え方もあります。
ゼンマイを40回ほど巻いても全く動かない、またはすぐに止まってしまう場合は、内部で何らかのトラブルが起きている可能性があります。無理に動かそうとせず、購入店や時計修理専門店に相談することをおすすめします。
依頼先は「日本ロレックス(正規サービスセンター)」と「民間の時計修理工房」の2択です。正規サービスは安心感と品質が高いですが、費用は高めで時間もかかります(10万円前後〜)。民間工房は比較的安価で納期も早い傾向がありますが、お店の技術力を見極める必要があります。
まとめ:ロレックスが止まるのは愛情を注ぐサイン
今回の内容をもう一度振り返ってみましょう。
- ロレックスの自動巻き時計は、つけていないと止まるのが正常。
- 止まる主な原因は、腕の動きによるゼンマイの巻き上げ不足。
- 止まったら、リューズを使って手で30〜40回巻けばOK。
- 長持ちの秘訣は「毎日使う」「優しく拭く」「磁気を避ける」「定期的なオーバーホール」。
ロレックスが止まるのは、故障ではなく「また動かしてね」という時計からのサインのようなものです。少し手間がかかるかもしれませんが、それも機械式時計ならではの魅力の一つ。正しい知識を持って接すれば、あなたのロレックスはきっと生涯を共にできる、かけがえのないパートナーになってくれるはずです。
さあ、止まっていた時計を手に取って、優しくゼンマイを巻いてあげましょう。再び時を刻み始めるその瞬間を、ぜひ楽しんでくださいね。
あなたのロレックスに関する経験も、ぜひ下のコメントで教えてください!
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